東京駅までまだ一時間近くはかかるといった状況の中、やっと僕のスマホがメッセージを受信した。望ましいのは「もう家についてるよ」といった答えだったけど、どうやら願いは儚くも散ったようだ。

 『ごめん、まだお店。偶然にも中学時代の知り合いに会ったから、ちょっとその子達とお喋りしてから帰るね』

 そのメッセージを見た瞬間、深い溜息が零れ落ちた。っていうか中学時代の知り合いって誰だ?
 肝心なことは書かれてないから分からないが、知り合いってことは友達とかクラスメートってわけでもなさそうだ。

「僕の知らない人間ってことか?」

 中学の頃から呪術師の仕事が忙しくて、学校もマメに通ってたわけじゃないから、知ってる奴なんてクラスメートくらいだ。それも三年の頃の。
 他の学年の時はあまり記憶にない。と親しくなる前は他の生徒もどこか僕に対して距離を置いてるようだったし、こっちも特別親しくなろうとも思わなかったせいだ。でも三年になってと付き合うようになってからは、少しずつ皆と打ち解けて普通の友達ってもんが出来た。あれも全部のおかげだったと思う。

「ったく。人の気も知らないで」

 時計を見れば午後9時半。この分だと帰宅する頃には11時を過ぎる可能性の方が高い。溜息交じりでメッセージをスクロールしていくと、夕方送られてきた彼女の写真が表示された。それを見ていたら何もここまでお洒落しなくても、という思いが過ぎる。
 僕の要望通り、服装は露出も少なめでスカートもロング――ほんとはパンツスタイルが良かったけど――。でも彼女愛用の"FRAY I.D"でコーディネイトしたスタイルはめちゃくちゃ可愛すぎだ。アシメのデザインワンピースも、この前買ったばかりのオープントゥメッシュブーツもに良く似合ってる。こんな格好で元カレがいるかもしれない同窓会に行くなんて心配しかない。
 とりあえず返信するのに文章を打ち込んでいく。

――僕が東京駅についた時点で家に帰ってなきゃ迎えに行くから。

 問答無用でそのメッセージを送りつけて画面を消した。

「……泥酔してなきゃいいけど」

 まあ、もう互いに大人なわけでお酒デビューするのはいいとしても、出来れば僕と一緒の時にだけ飲んで欲しい。そんな風に思うのは僕の我がままなんだろうな、と自分に苦笑しつつ。目の前の座席で眠りこけてる伊地知を見てたら、何となくイラっとして意味もなく足を蹴っておく。まあ八つ当たりというやつだ。
 伊地知は寝ぼけ眼で「ふぁっ?」と意味不明な声を発したあと、またすぐに寝落ちしたようで。
 その間抜けた顔を見てたら――少しだけ気分が晴れた気がした。







「いいの? 同窓会なんでしょ?」

 中村さんが奥の席を見ながら訊いてくる。でも友達にはそろそろ帰ると言いに行っても泥酔状態で殆ど聞いてなかったのを考えると、わたし一人くらい抜けても気づかないはずだ。それに二人と少し話したらそのままフェイドアウトしようと思ってるからちょうどいい。

「いいの。もうだいぶ出来上がってて会話が成り立ってないから」
「そうなんだー。まあうちらもお酒デビューしたばかりで結構酔ってるけどねー」

 大林さんがケラケラ笑いながら、運ばれてきたロングカクテルを飲んでいる。確かに彼女達も結構出来上がってるようだ。でもそれはわたしも同じで、トイレに行って気づいたけど、地味に足元はフラついていた。
 二人と再会して、強引に誘われるまま彼女たちの席にお邪魔したわたしは、それでも何となく気まずい気持ちのままお酒を飲んでいた。だいぶ前の話ではあるけど、五条くん絡みで一時は二人と気まずくなった経緯があるせいだ。
 でも二人はそれほど気にしてないみたいで「元気だった?」と明るく話しかけてくる。

「うん、まあ……二人は? 今は大学生だっけ」
「まあねー。同じ高校行って大学も同じなんだ。腐れ縁ってやつ?」
「そうそう。このまま就職も同じとこにしようかって話してるんだ」
「そうなんだ」

 相変わらず仲がいいのかと思いながら相槌を打つ。中学の頃、同じクラスの時は交流もあったけど、クラスが変わってからは廊下で挨拶するくらいだった。例の出来事があるまでは。
 そんなことを思い出していると、大林さんがふと顔を上げてわたしを見た。何か言いたげな笑顔だ。

「そう言えば……さんって卒業前には五条くんと別れてたんだってね」
「え……?」

 唐突に五条くんの名前を出されて心臓が跳ねた。二人とは五条くん絡みでちょっとしたいざこざになってしまったことがあるから、またその話をされるのかと思った。でも二人はやけに同情的な視線をわたしに向けてくる。彼女たちとモメて以来、疎遠になってたし、五条くんと何があったのかも二人は知らないはずだ。当然、再会してよりを戻したことも。

「えっと……」

 どう言おうか迷っていると、中村さんが「まあ仕方ないよねー。あの五条くんだし」と苦笑いを零す。どういう意味だと思っていると、大林さんまでが「だよね」と笑いだした。

「元々いい家の息子なんでしょ? ちょっと一般ピーには敷居が高いって言うか高嶺の花だもんね」
「まあ、そこも魅力のうちだったんだけどねー。さんも災難だったよね。遊ばれちゃって」
「……へ?」

 不意におかしなことを言われてきょとん、としてしまった。酔いが回りすぎて聞き間違えたのかと思ったけど、二人は苦笑交じりでわたしを見つめたまま。何か同情って言うより、今はどことなく楽しんでるようにも見える。
 っていうか、遊ばれたって……わたしが五条くんにってことだろうか。

「あ、あの……何の話?」

 本気で分からず尋ねると、中村さんは長い髪を耳にかけながら、大林さんと目を合わせて含み笑いをしている。それが昔意地悪してきた時の顔に似ている気がした。

「いいよ、隠さないでも」
「え?」
さん、卒業前に振られたんでしょ? 五条くんには婚約者がいたらしいじゃん」
「え……っと……」

 何の話? と本気で驚いた。でも婚約者と聞いて思い出したのは、わたしと別れてる間、五条くんには親に決められた婚約者がいたということ。再会してよりを戻すってなった時、五条くんが教えてくれたのだ。ずっと形だけのもので放置してたらしいけど、わたしと再会したあとはすぐに婚約解消したと教えてくれた。お父さんは渋い顔をしてたみたいだけど、お母さんはわたしの味方をしてくれたようで、それが決定打になったと五条くんは笑って話してたっけ。
 その話が少し違う形で元同級生たちに伝わったのかもしれない。二人は何か勘違いしてるようだ。

「まあ、仕方ないよね。良家のお嬢様と庶民のさんじゃ太刀打ちできないだろうし」
「そもそも付き合ってすらいなかったってことでしょー? 酷いよねぇ、五条くんも」
「え、あ……あのわたし別に遊ばれたわけじゃ……」
「でも五条くんになら遊ばれてもいいかも」
「言えてるー」
「……」

 ダメだ、完全にわたしのことを遊ばれた女として見てる。いや、というかこの二人……もしかしたら嫌味を言いたくてわざわざ声をかけてきたのかもしれないと今更ながらに気づいた。さっきから言葉の端々に棘があるし、わたしを見る目つきがすでに「ざまあ」と言いたげだ。もう何年も前のことなのに未だ根に持ってたらしい。通りで愛想がいいと思った。まあ二人の悪意に気づかなかったわたしも相当間抜けだけど。
 もう過去のことは水に流して懐かしさのあまり「ちょっとだけ一緒に飲まない?」と誘ってくれたのかと思ってたのに。
 そう思ったら沸々と怒りが湧いて、残っていたカクテルをつい一気飲みしてしまった。それを見ていた二人はどこかバカにするようにクスクス笑ってる。どうせやけ酒してると思ってるんだろう。でもこの二人からどう思われようが、もうどうでもいい。

「あの、わたしそろそろ帰る――」

 そう言いながら席を立つと、ちょうどそこへ不愉快な人間がもう一人来てしまった。トイレの帰りなのか、近くを通りかかった元カレがふとわたしに気づいて足を止める。

「おい。オマエ、何そんなとこで飲んでんだよ」

 彼が歩いて来ると、大林さんと中村さんが「え、高校の同級生?」と聞いてくる。ケンジくんも見た目だけで言えば人並みに良い方だからか、彼女たちも途端に愛想のいい笑顔を向けてるのが滑稽だ。

「まあ、元クラスメート……」

 さすがに元カレだとは紹介したくなかった。
 
「そうなんだー。あ、私たちさんの中学時代の友達で――」

 友達なんて思ってないくせにと内心呆れていると、ケンジくんまでが「あ、そうなの?」と急に笑顔になった。知らない女の子に囲まれてまんざらでもないらしい。どっちもどっちだなと、つい苦笑が洩れる。タヌキとキツネの化かし合いみたいだ。

「っていうか、帰る気かよ」

 三人が話してるのを横目にバッグを持って帰り支度をしていると、ケンジくんが急にわたしの腕を掴んできた。さっきまで不機嫌そうな顔で睨んできたくせにと思いながら「帰る。幹事の子には言ってあるから」と返す。大林さん達からの嫌味でもイラついてたのに最後にこれなんて、ほんと散々な気分だ。ただ足を踏み出した途端、酔っ払ってるせいでフラついてしまった。

「オマエ、結構酔ってんじゃん。俺が送ってやろうか?」
「いいよ、別に。タクシー拾って帰るし――」
「あ? 何だよ、その言い方。人がせっかく親切で言ってやってんのに」

 二人の前でいい恰好でもしたかったんだろう。でもあっさり断ったせいでプライドが傷ついたのか、急に不機嫌な態度で腕を更に引っ張ってきた。彼も酔っているのか力が強い。腕に痛みが走って思わず顔をしかめた、その時。背後からにゅっと手が伸びてきたと思った瞬間、わたしを掴んでいたケンジくんの腕を、その手が振り払った。

「彼氏ヅラして僕のに触んないでくれる?」
「ご……五条くん……っ?」

 肩を抱きよせられ、驚いて仰ぎ見れば、後ろにいたのは最高に仏頂面をした五条くんだった。サングラスをしてても空気で分かる。まさかの五条くん登場に驚いたのはわたしだけじゃない。当然ながら元同級生二人が「え、うそっ! 五条くんだっ」と驚きの声を上げた。
 五条くんはかけていたサングラスを外して二人を一瞥したあと「ああ、中学時代の知り合いってコイツラか」と苦笑を零した。そこで思い出す。わたしに嫌がらせをしてた二人に注意してくれたのが、五条くんだったことを。
 二人にはいい印象がないようで、最近は大人しくなった五条くんも今は中学時代の時みたいな不愛想な雰囲気に戻っている。

「また何かされた?」
「え……? あ、ううん。ちょっと昔話してただけ」
「そう。ならいいけど」
 
 そう言って微笑んだ五条くんは、次にポカンとした顔で立っているケンジくんに向き直ると「は僕が連れて帰るから君は遠慮してくれる?」とにっこり微笑む。その笑顔がちょっと怖い。纏う彼の強い呪力が大きく揺らいだように見えたのは気のせいじゃないはずだ。ケンジくんの顏がみるみるうちに引きつっていく。
 でも怖いのはわたし達を見て驚愕している二人も同様だった。だんだん驚きの表情が怪訝そうな顔に変わって、わたしと五条くんを交互に見ている。きっと何でまだ繋がってるんだと困惑してるに違いない。案の定、中村さんが「なんで?」と小さな声で呟いた。

「え、二人別れたはずじゃ……」
「何で五条くんがさんを迎えにくるわけ?」
「え、それは……」

 やっぱりこうなるよね、と思いつつ返答に困っていると、五条くんは今のやり取りで何かを察したらしい。二人に向かってやけに冷めた笑顔を向けた。かなり怖い。

「ちょっとの間、遠距離だっただけで別れてないし――」

 と言いつつ、ちらりと嫌味な視線を向けてくるから、わたしの視線がゆっくりと左へ泳ぐ。

「同棲中の恋人の帰りが遅いから心配して迎えに来ただけだけど……何か問題ある?」
「は? 同棲?!」
「何それ、聞いてないんだけどっ」

 五条くんのあからさまな物言いにギョっとしたのもつかの間。今度は彼女達からじろりと睨まれ、また視線をそらす羽目になった。別に悪いことをしてるわけじゃないのに、何だろう。色々とすんごく気まずい。
 五条くんだけは平然とした顔で「じゃあ帰ろうか、」とわたしの手からバッグを奪って小脇に抱えると、空いた手に自分の指を絡めてきた。いわゆる恋人繋ぎだ。大林さん、中村さん、そしてケンジくんからの視線が痛い。三人は絶句したような顔で五条くんを見ている。いや、わたしも見ちゃってるけど。
 こんなに堂々とイチャついていいんだろうか。

「ん? 何、ジっと見つめちゃって。目が潤んでてちょー可愛いんだけど」

 わたしの視線に気づいた五条くんはかすかに微笑むと「でも相当飲んだよね。ほっぺ赤いし」と火照った頬に触れてきて、そのまま髪を耳にかけてくれる。その動作が優しくて、今度は違う意味で顔が熱くなった。未だにビシバシと三人の視線を感じるせいだ。

「じゃあ、もう帰れる? 駅の近くに伊地知待たせてるから」
「え……」

 どうやら渋谷まで伊地知くんに送ってもらったらしい。あげく近くに待たせているという。一応、わたしも高専関係者なわけで、プライベートなことで忙しい補助監督を使うなと言いたかった。でも彼らの前で職場まで同じとはバレたくないから、そこはぐっと我慢しておく。
 五条くんはそのまま三人に「じゃあ皆さんお元気でー」と軽いノリで声をかけ、わたしの手を引いて平然と店を出た。その後の三人がどういう反応をしてるかなんて想像したくないけど、元カレの悔しそうなアホ面が面白かったから、少しだけ気持ちはスッキリした。あの二人もきっとイライラしてるんだろうなと思うと、さっきの意地悪も気にならない。
 ただ、一つ問題なのは――。

「あ、あの五条くん……」
「……」

 あ、これやっぱり……おこなやつだ。
 さっきまで無駄に愛想が良かったはずの五条くんは、ひたすらわたしの手を引いて交差点を歩いて行く。見上げた背中からは無言の怒りを感じた。
 ただ何を怒ってるのかまでは分からないから、何をどう言い訳しようかと頭を悩ませることになった。

 




ネオンよりも人口の多さが目立つ渋谷は、午後11時になっても騒がしい街だ。目まぐるしく人が行き交う光景を見てるだけで目が疲れてくる。
 とりあえず東京駅についてもから帰ったという連絡はなく。僕が迎えにいくといったメッセージすら見てないことに気づき、伊地知に渋谷まで送ってもらった。さすがにこんな時間まで飲んでるのは許容できない。
 東京駅から車を走らせ渋谷に着いた時、任務じゃないから伊地知には帰っていいと言ったけど、何故か「待ってます」と言われた。

さん酔ってるならタクシーより乗り慣れた車の方がいいかもしれないですし」

 なんて言ってたから、伊地知なりの気遣いかもしれない。そこは有り難く申し出を受けることにした。
 僕はお酒を飲まないから分からないが、初めて酒を飲んだ人間がどの程度酔っ払うものなのかも心配で、自然と足も速くなる。
 ただ店に入った途端、正面にが見えて、あげく知らない男が彼女の腕を掴んでる光景が目に飛び込んできた。当然イラっとする。しかも一緒にいた二人を見てちょっとだけ驚いた。中学時代、僕と付き合ったことでに嫌がらせをしてた奴らだったからだ。何でコイツらと、とは思ったが、まずは馴れ馴れしくに触れている男の方を引き離したかった。
 見た瞬間、この男が例の元カレだと直感的に分かったのもある。つい彼氏ヅラすんなという台詞が口から出たのは多分そのせいかもしれない。男との表情を見る限り、僕の直感は当たってたんだとすぐに分かったから、余計にイラついたが、とりあえず説教は帰ってからと決めた。

「あ、あの五条くん……」

 彼女の手を引いて交差点を渡ろうとしたところで、彼女の怯えたような声が聞こえた。多分気配で僕の機嫌が悪いことを察してるんだろう。だけどすぐに返事が出来なかったのは、何か言えば情けない愚痴を言ってしまいそうだと思ったから。
 少し冷静になれば、元カレの件だって不可抗力だったと分かるから、そこは言うべきじゃない。まあ同窓会に来ないかも、なんて言葉は最初から信じてなかったし、僕のメッセージに気づいてくれなかったことも大目にみよう。だけど一つどうしても許せないことがあるから、道路を渡り切ったところで繋いでいた手を少し強引に引き寄せた。

「わ、ご、五条く――」
「もう飲み会は今夜限りにしてくれる?」
「え……?」
「どうしても飲みたいなら僕が一緒の時だけにして」

 身を屈めての額に自分のをくっつける。そのまま僅かに目を細めれば、とろんとした瞳と目が合った。自分じゃ気づいてないようだけど、彼女の顔はどう見ても相当酔っている。

「な、何で……?」
「今の、目も潤んでるし、頬も赤い。見ようによっちゃ……ちょっとエロい」
「な……何それ」
「こんな顔、僕以外の男に見せていいと思ってるわけ。この酔っ払い」
「……」

 じとりとした視線を落とせば、さすがに僕の機嫌が悪い理由を理解したらしい。ごめん、と小さく呟いて子供みたいに眉尻を下げた。何その顏。可愛すぎだろ。

「ハァ……あんまり心配かけないで」

 深い溜息と共に零れ落ちた本音。自分の目が届かないところで酔っ払われることがこんなに心配だなんて想像も出来なかった。
 再び手を繋いで歩き出すと、はしゅんとした様子で黙ってついてくる。その姿はやっぱり叱られた子供みたいだ。絶対に酒を飲んじゃダメな年齢にしか見えない。
 この可愛い生き物をどうしてくれようか。
 とりあえず伊地知の待つ車が見えてきた辺りでいったん足を止めると、驚いて顔を上げた彼女の唇にちゅっと軽めのキスを落とす。だいぶアルコールが回ってきたのか、の大きな瞳は更にとろんとして眠たげだった。

「ご、五条くん……?」

 不安そうに見上げてくる彼女にもう一度口づければ、今度はかすかにアルコールの味がした。まずは帰って一緒にお風呂ね、と囁けば、は「う」と短い声を上げる。普段は恥ずかしがって入ってくれないけど、今夜は問答無用でバスルームに連行することにした。
明日の朝、目覚めた時。飲み過ぎたことを後悔すればいい。
 そんな黒いことを考えながらも、最後に優しく唇を重ねれば、僕らに気づいた伊地知が位置を知らせるか如く、パッパーとクラクションを鳴らしてきた。あれで気を利かせたつもりらしい。
 の前に、まずは伊地知のお仕置きが決定した瞬間だった。

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